【取材】甲賀弓具店

創業明治十年、静岡県の甲賀弓具店様にて取材。
五代目甲賀幸右衛門、大村達矢様にお話を伺った。

甲賀弓具店のこだわりは弓師から送られてきた竹弓は、店頭に出すまでに張り込みや調整を行う。
その期間は季節や弓の状態次第ではあるが、合成接着剤の弓で最低半年以上、ニベ弓で最低一年半以上。出荷すぐの弓は形が安定しない為だ。
そこには購入者に安心して使用してほしいという思いが込められている。

  
竹弓の在庫はとても豊富。弓師や矢師から寄贈された品も展示されていた

 

静岡は元々職人や弓具店が多く、非常に潤った地域だった。
しかし30年程前をピークに、その数は激減。20名近くいた職人の数も5名ほどに。同じく弓具店も暖簾を下ろすところが相次いだ。
各弓具に使用する自然由来の素材が入手困難になってきたこと、弓道人口が減ったことと言った様々な要因がある中で、今回のコロナウイルスが業界全体に致命的な影響を与えた。
コロナ禍三年目に突入し、ワクチンや各自治体の努力により徐々に弓具を求める人も増えてきたものの、コロナ前に比べると復活とは言い難い状況が続いている。

店内に並ぶ数々の弓具

ただ、そんな中全国各地で「リモート試合」が学生の部活動中心に開催されるようになって新たな可能性を感じたという。
「対面での試合は大事ですが、遠方の学校とも試合が出来る環境になった。全てをリモート試合でという事ではないが、一つ選択肢が増えた様にも思います。」


五代目甲賀幸右衛門 大村達矢氏

辛い状況下で生まれた新しい試みが大きな可能性を引き出した。
逆境を乗り越えた先の弓道界は明るいのかもしれない。

甲賀弓具店

静岡本店
〒420-0034 静岡市葵区常磐町2-12-2
TEL:054-252-1873

浜松店
〒432-8034 静岡県浜松市中区塩町137-1 2F
TEL:053-401-2306

ホームページ https://kouga-kyugu.co.jp/
Twitter          @Kouemon5th

 

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