【取材】弽師 元則

先代の輝氏より弽つくりを引き継いだ氏。
丁寧に手縫いで仕上がった弽は恐ろしい程に縫いが細かく、使い手の馬手に吸い付く。

静岡県焼津市の少し街から外れた場所に氏の工房はある。
扉には『弓具工房』。中に入ると氏と愛猫が出迎えてくれる。

「基本的にウチで作る弽は手形での注文品になります。既製品では難しいフィット感を重視されて注文頂くお客様が大多数ですが、手が大きく、既製品ではどうしても手のサイズが合わないお客様がご注文される事もあります。」


今まで制作してきた手形を見せて頂いたところ、中には非常に大きな手形が入っていた。
話をお聞きしたところ日本国内だけではなく、最近は中国や台湾といったアジア圏、チェコといった国外の幅広い地域からも注文を受けているそうだ。

氏に弽つくりのこだわりをお聞きしたところ
「ウチの弽はよく縫い目が綺麗だと言われます。弓を引くための道具である以上、使い易く丈夫でなければならないというのは当然で、更に永く大事にして使って頂けるように見た目の美しさにも気を使っています。手形を見て、革の状態を考慮し、一つ一つ丁寧に作業を積み重ねていくことにより、結果的にそのような弽が生まれているだけなんだと思います。」

通常利用しているだけでは気づく事が難しい様な箇所も妥協する事なく縫針を入れる。一針一針、丁寧に。
そういったきめ細かさが信頼に繋がるのだと強く感じた。

弓具工房元則
〒425-0072 静岡県大住748
MAIL:atelier_motonori@yahoo.co.jp

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